中国EVのBYD売れているモデルはこれ。2023年BYDモデル別販売台数。EV販売台数はテスラ超えへ。

中国動向

BYDの販売台数

2023年にBYDの年間販売台数は3,024,417台となり300万台の大台を超えたと発表されました。

2022年の販売台数が約180万台だったため、日系メーカーとの比較ではマツダよりも少し多いという販売規模だったものがわずか1年でスズキと同規模まで急成長しています。年間成長率では実に60%にもなります。近年パンデミックや半導体不足などの影響も受けて販売台数を急激に減らしている日産の背中も見えている状況で、2024年には日産がBYDに抜かれることも十分に考えられます。

また、2023年の第4四半期に限って見てみるとバッテリーEVの販売台数でテスラを上回っており、2024年には年間でもテスラを超えてバッテリーEVシェア世界1位になることが確実視されています。

四半期毎BEV販売台数でBYDがテスラを逆転

なお、BYDは内燃機関のみを動力源とするモデルの販売をすでに終了しており、現在はバッテリーEVとプラグインハイブリッド車専業のメーカーとなっています。

2023年における販売台数の内訳は、BEVが1,574,822台で前年比73%増、PHEVが1,438,084台で前年比52%増と特にバッテリーEVがBYDの成長を牽引していることがわかります。このうち、2023年の中国外への輸出台数は242,766台となり前年比334%増と爆発的に海外での販売を増やしています。

さらに、日本国内においても日系メーカーからシェアを奪っているBYDのEVバスなどを含む商用車部門も、11,511台を販売して前年比88%増と乗用車以上の急成長をしています。

このように世界的なEV化の流れに乗って急成長中のBYDですが、車種別の販売状況を見てみると一部モデルで販売不振の兆候もあり、必ずしも全方位で急成長しているわけではなさそうです。

日本市場での販売状況

日本国内においては2023年1月から12月までの1年間でブランド合計1446台の販売を記録したようです。

日本上陸一年目でありEVの販売のみだったこと、さらにほとんどの期間がAtto3の一車種しか販売していなかったことを考えると、それなりの結果を残したと言えるのではないでしょうか。

2023年9月末には、SUVのAtto3に加えてより低価格なコンパクトハッチバックのドルフィンもラインナップに加わったことで、販売台数も増加してくると思われます。

車種別の販売台数

モデル販売台数(2023年)
640,749
482,145
428,580
ドルフィン367,419
シーガル280,217
228,383
137,184
シール127,323
デストロイヤ0592,088

2023年はベストセラーの宋が前年比33%増、日本名アット3にあたる元が前年比87%増、小型車のドルフィンが79%増など販売を大幅に伸ばしている車種が多数あります。また、2023年に発売されたばかりの小型ハッチバックであるシーガルも30万台近く販売されるなどヒットしています。

その一方高級セダンの漢は前年から5万台ほど販売を減らしたほか、テスラキラーと呼ばれていたシールも販売は苦戦しています。シールは2022年の夏に発売され同年11月と12月には月1.5万台を販売していましたが、2023年に入ってからの販売は毎月1万台を下回って推移していました。2023年9月にプラグインハイブリッドが追加されてようやく1.4万台の販売を回復し、2023年12月に月間販売は2万台まで盛り返しています。回復したとはいえ、テコ入れされるまで販売減少気味だったのは気になるところです。

続いて各モデルを写真付きでご覧ください。

宋 – 640,749台

2023年に最も売れたBYDのモデルは64万台を販売した宋(Song, ソン)でした。

といってもトヨタのカローラシリーズのように様々なタイプの車が宋の名前で販売されており、クロスオーバーEVに加えてPHEVのミニバンやSUVなど全てが合算された台数ではあります。

秦 – 482,145台

BYDで二番目に多く売れたのは、秦(Qin, チン)でした。

中国では以前から販売台数ランキングのTOP10常連となっているモデルで、2023年も相変わらず人気を保っているようです。

出典:BYDウェブサイト

元 – 428,580台

日本など中国外ではアット3(Atto 3)の名前で販売されている電気自動車のSUVである元(Yuan, ユアン)も年間で40万台を超える好調な販売を記録しています。

出典:BYDウェブサイト

ドルフィン – 367,419台

日本でも販売されている小型ハッチバックの海豚(Dolphin, ドルフィン)が2023年BYDで四番目に多く売れたモデルとなりました。

出典:BYDウェブサイト

シーガル – 280,217台

ドルフィンよりもさらに小型のハッチバックである海鴎(Seagull, シーガル)は、2023年の春に発売されており販売期間が一年に満たないにも関わらず28万台もの販売を記録しています。2024年にはBYD最量販モデルのポジションを伺うことになりそうです。

出典:BYDウェブサイト

漢 – 228,383台

BYDのラインナップの中では高級セダンの位置付けとなる漢(Han, ハン)も20万台以上を販売して人気を維持しましたが、2022年からは5万台近く販売を減らしました。

出典:BYDウェブサイト

唐 – 137,184台

SUVの唐(Tang, タン)が、2023年も2022年とほぼ同じ台数の販売を記録して安定の人気を示しています。

出典:BYDウェブサイト

シール – 127,323台

テスラモデル3のライバルともいえる海豹(Seal, シール)も10万台を超える販売となりました。

出典:BYDウェブサイト

デストロイヤ05 – 92,088台

2022年に登場してプラグインハイブリッドのみが用意されるモデルである駆逐艦05(Destroyer05, デストロイヤ05)が、人気のBEVを選択できないものの9万台を超える販売となりました。

出典:BYDウェブサイト

まとめ

  • BYDの年間販売台数は、すでに中堅日本車メーカーの規模にまで拡大。2024には日産やホンダまで射程に入れる勢いがある。
  • BYDの成長は、2023年発売のシーガルのように販売セグメントの拡大であったり、シールのように一つのモデルにEVとPHEVのモデルを着実に追加していくことで支えられている。
  • 高級セダンの漢やテスラ対抗モデルのシールなど一部で販売の落ち込みが見られる車種もあり、急成長がいつまで続くのか注目される。

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