ホンダの新型EVも。2024年まで発売が待ちきれないEV7選。

北米動向

Autoweekに待つだけの価値がある2024年に発売されるEV7台という記事がありました。

EVシフトへの対応が遅れていると言われる日本メーカーですが、どうにかホンダが踏ん張って1モデル入選していました。

さっそく全7モデルを見てみましょう。

登場が待ちきれないEV

ボルボ EX30

EV専業メーカーになることを宣言しているボルボ最小のEVということで、他のボルボ車と比べても価格的に抑えられています。64kWhのバッテリーで480kmの航続距離を達成。価格は520万円相当(3.6万ドル)からとなっており、これまで価格や航続距離の短さから電気自動車の購入を断念していた一般消費者にも手の出しやすいモデルになりそうです。

内装は、中央にディスプレイがあるのみでスイッチ類はほぼ見当たりません。テスラモデル3と同じく運転席正面にもメーターディスプレイはなく、速度表示なども全て中央のディスプレイという思い切ったシンプルさです。スウェーデンメーカーらしいデザインと言えるでしょう。コスト削減の観点からもこういったデザインのEVは今後益々増えていくことが予想されます。

フォルクスワーゲン ID.7

EVシフトを強力に推し進めているフォルクスワーゲンから、テスラ モデル3対抗のセダンが登場です。77kWhと86kWhの二つのバッテリーが用意される予定で、モーターもシングルモーターとデュアルモーター版があります。86kWhのバッテリーを積んだモデルは航続距離700kmものロングレンジで価格は700万円越え(5.5万ドル)が想定され、電気自動車におけるフォルクスワーゲンの攻めの姿勢が表れています。

内装は、フォルクスワーゲンがID.3やID.4などで採用している電気自動車向けのデザインを踏襲しています。ボタン類は最少で中央にある15インチのタッチディスプレイがインフォテインメントシステムになっています。未来のクルマ感が非常に大きいデザインと言えるでしょう。

フィアット 500e

フィアット500の電気自動車バージョンである500eは、街乗りを意識した小型EVで42kWhのバッテリーにより320kmの航続距離があります。価格は430万円相当(3万ドル)ということで、補助金などを考慮すれば庶民にも手が届く価格帯です。ミニと並んで伝説的な名車もEV化されてその歴史は続いていくことなります。

内装は、ガソリン版500から多少デザイン変更された程度の印象で、メータークラスターはガソリン車でよくみる典型的なデザインですし、ボタン類もたくさん配置されていて昨今のEVがなんでもタッチディスプレイ操作を前提にしてボタン類を最少にしているのとは対照的です。ただしフィアット500の電気自動車バージョンということで、ある程度クラシック感があるデザインも違和感は感じません。

ホンダ プロローグ

唯一リストに入った日本車がホンダのEVプロローグ(Prologue)です。いくつか実験的なEVを発売済みのホンダですが、北米の売れ筋サイズSUVに電気自動車を投入するということで期待が高まっています。デザインもホンダ本来のシンプルで実用的なデザインになっており、北米市場でヒットすることが期待されます。価格は600万円台後半相当(4.8万ドル)で、400kmを超える航続距離が予想されます。

外装内装ともに、プロローグはEV感がかなり少ない印象です。ホンダはeという小型電気自動車で、電子サイドミラーやフルスクリーンのダッシュボードなどかなり先進的なデザインを採用していたので、プロローグが従来からのガソリン車的なデザインに振っているのは意図的に狙ったものだと考えられます。

エクステリアデザインは、未来からやってきたクルマというよりは数年前に発売されたガソリン車と言われても違和感がないですし、インテリアデザインもメータークラスターとインフォテインメントディスプレイが独立しておりエアコン操作ノブやボタンなどの配置も斬新さはほぼありません。

この設計からホンダのプロローグは、EVが特別なものではなく普段使いの実用的な車として本格的に普及することを見越して、幅広く一般の人に購入してもらおうという戦略が見て取れます。もともとホンダの評価が高い北米市場でプロローグがどの程度成功するのか、日本車が本格的にEVで巻き返せるかどうかの分かれ目になる重要なモデルとなりそうです。

ちなみに、プロローグはGMとの共同開発でGMのUltiumプラットフォームが使われており、ホンダ独自のEVプラットフォームの登場は2025年頃を予定しているということです。

なお、プロローグについては下記のリンク先に情報をまとめているので興味のある方は合わせて参考にしてみてください。

ポールスター5

ボルボのハイパフォーマンスブランドであるポールスターから、テスラModel Sやポルシェタイカン対抗のGTカーが登場します。ハイパワーデュアルモーターで884馬力の出力を誇るポールスター5の価格は、1400万円相当(10万ドル)となりそうです。ハイパフォーマンスカーの主戦場は今後益々EVになっていきそうです。

内装がどのようなデザインになるのかははっきり分かりませんが、ボルボやポールスターの流れを汲んだ操作ボタン類を最少にしたシンプルなミニマリスト路線のデザインになることが想像されます。まさに正真正銘テスラと真っ向勝負するモデルになりそうです。

ダッジ チャージャーデイトナSRT

EV化の波は、アメリカンマッスルカーにまで及んでいます。ダッジチャージャーデイトナは、800Vのバッテリーシステムとトランスミッションを積んだ2ドアクーペスタイルのマッスルカーで、価格も700万円相当(5万ドル)と高性能EVにしては競争力のある価格帯となっています。SUVやクロスオーバーが次々に発表されているEV市場で新たな風を吹かせる存在になりそうです。

内装はレトロフューチャー感があるデザインで、アメリカンマッスルカーの魅力はそのままに計器類がデジタル化されている様子は、この車がSF映画から飛び出してきたような印象を持ちます。大排気量のマッスルカーは脱炭素化の流れとともに絶滅するかと思われましたが、EVとしての生き残り方がしっかり示された格好です。

ビュイック エレクトラE5

ホンダのプロローグと同じくGMのUltiumプラットフォームをもとにしたEVです。340馬力に比較的大容量な102kWhのバッテリーを積んだこのモデルは、480kmの航続可能距離があります。価格は700万円相当(5万ドル)が予想されます。

ビュイックは本国アメリカを超えて中国での人気が高いブランドということで、内装も最近の完全デジタル化された中国車を強く意識している様子が伺えます。中国市場を強く意識したこのモデルが北米でも成功するとすれば、中国市場での苦戦が伝えられる日本メーカーにとって北米市場も安泰ではないことを意味しますので、日本メーカーの今後を占う上でも気になるモデルとなりそうです。

感想

2024年にもなると、フォルクスワーゲン、フィアット、ホンダなど、ガソリン車時代の大衆車メーカーからも続々と電気自動車が登場してくる状況が見て取れます。価格や航続距離の点からも益々一般大衆が買える選択肢が増えており、こういったモデルの登場で電気自動車の普及がどの程度進むことになるのか注目されます。

また、業界全体的にEVではタッチディスプレイを中心とした未来的なデザインを採用する車種が多い中で、ホンダがプロローグで従来の自動車と変わりないテイストを採用しているのは注目に値します。プロローグが市場でどう受け入れられるのかが、今後のEVデザインにも大きく影響するでしょう。

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